早速質疑をさせていただきたいと思います。
まず、八月の日朝の実務者協議で、北朝鮮の拉致被害者の再調査委員会の立ち上げが北朝鮮側と日本側で合意があった。早ければ秋までには、拉致被害者の再調査、今までの経過にかかわらずゼロベースでの調査を行うということに合意したという話であったと思いますが、それが秋までには成果が見えるはずだったわけですけれども、九月一日に福田前総理が辞意表明後、北朝鮮側から延期の通告が九月四日にあったということであります。
まず最初の質問なんですけれども、済みません、これはちょっときのう通告し忘れてしまって申しわけないんですけれども、当たり前の質問なのでぜひお答えをいただきたいなと思うんですが、九月の四日の北朝鮮側の通告を受けたというのは、北朝鮮側の、具体的にどこから通告を受けたということになっているんでしょうか。
○齋木政府参考人 お答えいたします。
九月四日の夕刻か夜だったと思いますけれども、北朝鮮側からは、北京にあります先方の大使館から、同じく北京にあります日本大使館に対してそういう連絡があったと記憶しております。
○鷲尾委員 北京の大使館から連絡があったということで齋木局長からお答えをいただきましたが、なぜこの質問をしたかといいますと、日朝国交正常化の北朝鮮側の大使であります宋日昊さんが、九月の十一日の時点で、結局その合意が、北朝鮮側として、麻生政権になってしっかりと履行される保証がないからそういう通告をしたんだという経緯の説明と、それともう一つは、八月の実務者協議において、拉致被害者についての全面的な再調査を約束したことについては、理解できないという発言もあわせてしたと聞いております。
この宋日昊さんの発言というのが日朝の実務者協議の結果についてどれだけの影響があるのかというところを疑問に思ったものですから、その点についてもお答えいただきたいと思います。
○齋木政府参考人 お答えいたします。
八月に行われました日朝実務者協議、双方でいろいろと議論をいたしまして、一定の合意、了解に達して、それをお互いに実行していくということで終わったわけでございます。
宋日昊大使が私の相方として先方から代表でおりましたけれども、その後、宋日昊大使が公の場で、日朝のその合意について、これを否定したり批判したりしたということは私は承知しておりません。
○鷲尾委員 そういう発言を私は報道で知ったわけですけれども、宋日昊さんが、八月の協議内容について理解できない、要するに拉致被害者の全面的な調査については理解できないという発言をしたと私は聞いているんですけれども、もちろん齋木局長が担当されて交渉しておられるわけですから、その交渉の当事者である齋木局長からそんなことはあり得ないというお言葉をいただけるのであればそれが事実だと私は信じたいので、鋭意進めていただきたいと思います。
では、この日朝間の実務者協議の内容というのは、拉致被害者の全面的な調査、今までの、横田めぐみさんの遺骨偽造事案とかいろいろありますけれども、そういうものをすべて含めてゼロベースで調査されるということ、これは、先ほど大臣の北朝鮮情勢に関する報告にもありましたけれども、北朝鮮が調査委員会を立ち上げてということを求めていくんだという話をしておりましたけれども、この調査委員会を立ち上げて調査をするという内容については、全面的にゼロベースで調査するということは間違いないということでよろしいですか。
○齋木政府参考人 お答えいたします。
八月の日朝実務者協議で達しました双方の合意、まさにおっしゃるとおりでございまして、先方は調査を行う、それは、拉致問題の解決に向けた具体的な行動をとるため、すなわち、生存者を発見して帰国させるための拉致被害者に関する全面的な調査をするということを向こうは約束したわけでございます。かつ、権限が与えられた北朝鮮側調査委員会によって迅速に行うということも約束しておるわけでございます。
したがって、ゼロベースとおっしゃいましたけれども、まさに調査のやり直し、再調査ではなくてやり直しというところを双方で合意したわけでございます。
○鷲尾委員 今、サンプル採取方法を含めて米朝の協議についても文書化ということを求めているわけですけれども、これは、北朝鮮が、口頭の約束だけではなくて、しっかりと約束をたがえることなく履行するという意味において文書化ということはされている話なんでしょうか。
○齋木政府参考人 お答えいたします。
日朝間での合意事項、これは、その議論の過程で、こういうことをすべきである、こういうことについて自分たちもやるということも含めて、いろいろと文書のやりとりをいたしました。ただ、結論的には、双方の間で合意について文書を交わしたということはございません。
○鷲尾委員 これは外交技術的にも難しいとは思いますけれども、文書化がなされていないということは、やはりほごにされる可能性もあるというふうに理解してよろしいですか。
○齋木政府参考人 お答えいたします。
北朝鮮という国を相手に交渉事を行って何らかの合意に達した場合に、これをすべて明文で、本来ならば文書で確認をするということは最も望ましい方法であろうと私も思っております。
現に核の分野におきまして、六者会合、今回、まさに最も肝となる検証のあり方についてきちんと六者が明文でもって確認をする、それが大事だということで交渉をしたわけでございますが、残念ながら結果は御案内のとおりでございますけれども、そういう意味で、六者の中で五者がそろって文書が必要であるということを言って、それに対して一カ国、すなわち北朝鮮が、その文書、サンプル調査を含めて文書の作成に対して反対した、これが今回の図式でございます。
日朝の実務者協議におきましては、文書でのやりとりを踏まえて、これを我々は申し合わせとして実行していきましょう、そういうことで了解し合ったわけでございまして、この約束の内容について、北朝鮮側は、八月の十一日、十二日の結果につきましては、その後、一回もこれを否定するということはしておりません。
○鷲尾委員 それでは、実務者協議の、結局、文書でやりとりして、内容としては非常に、拉致問題についてはかなり進展がある、そういう成果だと認識しておりますけれども、これを北朝鮮側が履行するためには、実際、今何が必要だと思われますか。
○齋木政府参考人 お答えいたします。
まず、北朝鮮側は、調査のやり直しにつきましてはしばらく様子を見たいということを通告してきておるわけでございますけれども、これから、その通告が行われてから、九月の四日以降大分日がたっております。
したがって、まずは何よりも、北朝鮮側が調査に着手するという意思表示を日本側に対してしてくることが大事であると思いますし、それとともに、調査を実際に行うに際しては、約束どおり、調査委員会、権限の与えられた調査委員会を設置することにする、そういう通報を我々に対して速やかに行ってくることが重要であると考えております。
○鷲尾委員 拉致問題、本当に今時間との闘いで、何とか早く、拉致被害者の皆様の帰国を含めて、全容解明、全員救出ということをしていただきたいわけですけれども、本当に時間がないわけであります。先月は市川修一さんのお母さんがお亡くなりになりましたし、特定失踪者の大澤孝司さんのお父さんもついこの七月にお亡くなりになっています。関係者がどんどんお亡くなりになっていっていますので、できるだけ早い対応が必要だと思うんです。
北朝鮮側からの通告が大事であると今局長から答弁いただきましたけれども、北朝鮮側の通告をいかにさせるかということが、日本側としてはこれはもう最重要だと思うのですが、北朝鮮側の通告を何とかさせるために日本としてとり得べき措置というのはないのかと思うわけです。
どんな政策を今考えておられるのか、お聞かせをいただきたいと思います。
○齋木政府参考人 お答えいたします。
まず一義的には、我々は、繰り返し北朝鮮に対して、約束を早く履行するようにということを北京の大使館のルートを通じてやってきております。
また、このような状況がずっと続いておりますということにつきましては、六カ国協議のほかの参加の国々、アメリカはもちろんでございますけれども、韓国、ロシア、中国に対しても我々はずっと説明してきておりまして、こういう六カ国の中で、二国間、つまり日朝の間で物事が全く動いていない、対話すら行われていない、こういう極めて異常な状況についてやはり六者としても問題にすべきである、それはぜひ各国から北朝鮮に対してもしっかりと働きかけてもらいたいということは、私は何度も繰り返しそれぞれの参加国に対して要請しております。
また、この要請を受けまして、それぞれの国がそれぞれの判断で、北朝鮮側に対していろいろな形で働きかけをしてくれているというふうに理解しております。
○鷲尾委員 まさしくほかの国からの働きかけが日朝間の協議についても非常に重要であると。
八月の実務者協議についても、米国なり中国なり、テロ支援国家指定解除という問題について、それと絡めて、やはりかなり北朝鮮側に圧力があったんじゃないか、だからこそこれだけの成果が、八月の実務者協議では合意できたんじゃないかなというふうに思います。
今、齋木局長が、日朝間で全く協議が進んでいないし、していない。せんだって六者協議のときでも全く日朝間で協議がなかったと聞いておりますが、これは、北朝鮮側の報道官の発表ですと、やはり重油支援に日本が参加していないから会議に出てきても日本は相手にしないよというような話しぶりをしているわけですけれども、そういうことも考えますと、本当に六者でいかにプレッシャーを与えることが重要なのかと改めて思うわけです。
少し話をかえまして、北朝鮮が申告した核計画、これにはプルトニウムが三十八キログラム含まれているというふうに聞いております。これですと大体どれぐらいの核兵器なのかな、八発から九発くらいの核兵器を開発できるぐらいのプルトニウムの量だと聞いておりますが、この核計画をしっかりと、我々としては、北朝鮮の非核化ということを考えたときに、本当に完全に明確に、明らかにしなければいけない。自己申告でよしとするのは余りにも危険であるというふうに考えております。だからこそサンプル採取自体が今回の六者協議でも問題になったと認識しております。
六者協議で今問題となっているサンプル採取ですが、これは検証方法としてどういう意味を持っているのかということが一点と、もう一つは、検証の対象となる施設が北朝鮮からの自己申告でいいかどうかについてお答えをいただきたいと思います。
○齋木政府参考人 お答えいたします。
検証を実際に行っていくに際しまして、いわゆる核の開発の分野においては、国際的なスタンダードというか常識というか、それにのっとってやり方というのが大体決まっておるわけでございます。本来であれば、IAEAの専門家たちが検証を実際に実施するということで、そういう意味での非常な知識と経験、また機材も含めて持っているわけでございます。これを、北朝鮮の核の開発計画で申告されておりますすべての施設、または申告されていない施設も含めてやるということが完全な意味での検証ということになると思います。
今はまだその段階に至っていないわけでございまして、北朝鮮が、NPTから自分たちはもう脱退したとか、IAEAとはもう関係ないんだというようなことを言っております中で、IAEAがいきなり乗り込んでいってこれをやるというのはできない。そうしましたら、六カ国の中でこの検証を当面やっていくということになると思います。
この検証をやっていく中で最も重要なのは、実際に専門家が現地に行って、核の開発に関連するさまざまな施設、これに実際に査察をかける、そしてサンプルを採取して、それを持って帰ってきて分析する。それは、例えば土壌とか水とか、川の水のサンプルをとってきたり、あるいは施設にこびりついているであろうと思われるさまざまな断片を持ち帰ってくるとか、いろいろなことが考えられると思いますけれども、いずれにしても素手でこれをやるわけにいきませんから、当然、常識的に、機材をしっかり持ち込んで、そして今申し上げたようなサンプルの採取を行って、それを持ち出して、それをしかるべき検査機関において分析する。これによって、北朝鮮が行ってきている核の開発活動といったものに対しての検証が相当程度行われるというふうに我々は理解しております。
○鷲尾委員 日本にとって極めて核の問題というのは危険な問題であると思っております。
では、今局長がおっしゃっていたサンプルの採取ですけれども、今、米朝の内容を文書化するということをお話ししていると思いますが、それにはサンプル採取は含まれていないわけですね。サンプル採取をしっかりと文書化するということが非常に日本にとって重要である、局長の話からもそう思うわけですが、そのサンプル採取を文書化するまで日本としては米朝の協議内容について認めないという姿勢が大事だと思われますが、この点について外務省さんはどうお考えでしょうか。
○齋木政府参考人 お答えいたします。
米朝間で、十月の二日か三日でございましたか、交渉の結果、一定の合意に達した、その中で、文書によって合意に達したものもあれば、口頭において了解し合ったものもあるということで終わったわけでございますけれども、これはあくまでも米朝間の話でございます。
我々は、むしろ六者としての検証の枠組みをきっちりつくらなきゃいけない。米朝間で合意ができたことについては、それをいわばベースとして、そこからさらに六者として納得のいく、そういうものをつくらなきゃいけないんだ。この点についてはアメリカも、もとよりそこに同意しておるわけでございまして、さればこそ、六者会合に先立って、東京で、日本とアメリカと韓国の代表が集まって、六者に臨むに際して、その枠組み、検証の枠組みについて我々としてどのような対処方針で臨むかということについて協議を行ったわけでございます。
その際に、我々三カ国の間では、サンプリングも含めて、先ほど申し上げた、サンプルした物資を外に持ち出すことも含めていろいろと、我々は文書でもってこれはぜひ実現しなきゃいけないということを申し合わせたわけでございます。これが、いわゆる文書による六者における合意を目指すための三者としてのいわば合意事項でございます。したがって、これを持って今度六者に臨んだわけでございますけれども、残念ながら、御案内のように、北朝鮮はこれに対しては強く抵抗し、合意ができなかった、こういうことでございます。
○鷲尾委員 米朝で協議した内容が六者でさらに厳しい内容になるとはちょっと考えにくいなという部分が、私はそういうふうに思っているわけですけれども、ぜひ六者協議の枠組みで、それは六者協議の枠組みが一番いいわけですから、局長のおっしゃるとおりにしっかりと文書化を進めていただきたいと思います。
そして、この文書化ができても、今、拉致問題解決に当たって、日本は、経済制裁をどうするとか重油支援をどうするという、いわば拉致被害者を取り返すという意味においてもしかしたらマイナスになってしまうんじゃないかということを、核問題の解決という名目でしていかなきゃならない可能性もあるというところでありますので、非常に難しいかじ取りだと思いますが、拉致被害者をしっかりと帰す、これは国家の威信をかけてやっていただきたいと強く御要望を申し上げて、私からの質問を終わらせていただきたいと思います。
ありがとうございました。
2008年12月17日13:30~13:50 衆議院北朝鮮による拉致問題等に関する特別委員会/14委員会室
2008年11月27日16:00~16:30 衆議院災害特別委員会/第16委員室
2008年11月14日9:30~10:30 衆議院国土交通委員会/衆議院分館 第18委員室
2008年06月03日衆議院国土交通委員会