<質問項目>
1.「平成12年の道路運送法の改正時点における、法改正趣旨。規制緩和趣旨について」
当時の状況、規制の結果どのような効果が生じたかについて
3.具体的にどういう点で、メリットがあったかについて
4.「地域の指定を国交大臣が客観的な指標に基づき行うことが適当である」のかについて、
5.地域での指定あるいは要請について
6.協議会のメンバーの方法は誰が権限を持ち、どのように選抜するのかについて
7.地域計画の作成にあたって、協議会内部での計画決定方法についても何らかの措置の必要性について
8.地域計画の作成がされると、今度は、事業者が特定事業計画を作成することになる。この際、事業再構築について、特定事業計画に定めることができる。特定事業計画が作成されるにあたって、地域のタクシー会社については死活問題となるから、協議会以上に紛糾する可能性について
9.事業再構築の定めが特に厳しい協議が必要になり、利害対立が激しいと考えられる。これを進めるインセンティブについて
10.タクシー運転手の自殺者について
11.一般自殺者10万人あたり67人、その2.7倍に上るという統計結果がある。タ
クシー業界ではこのような結果は規制緩和によってタクシー運転者の生活崩壊が増えたからと考えている。国交省の見解について伺う。
12.タクシーの交通事故件数について
13.タクシーの交通事故件数が高い原因について
14.規制緩和と今のタクシー業界の現状は全く関係について
15.衆法では、道路運送法29条を改正し、国土交通大臣への報告を義務付けられる事故の対象を拡大しているが、その趣旨について
16.タクシーの労働条件と規制緩和、そして衆法の内容についての大臣の考え
17.規制緩和から生ずる弊害の想定について
18.規制緩和の細かい評価、検証について
19.今回の改正のタイミングについて
20.法人タクシーの賃金体系について、
21.歩合給と累進歩合制について
○鷲尾委員 民主党の鷲尾英一郎でございます。
内閣提出、特定地域における一般乗用旅客自動車運送事業の適正化及び活性化に関する特別措置法案及び細川律夫君外四名提出の道路運送法の一部を改正する法律案、特定地域における一般乗用旅客自動車運送事業の適正化及び活性化に関する特別措置法案、衆法二八号、二九号について質問をさせていただきます。
今回の改正に当たっては、国交省内でも今まで本当にさんざん議論されてきた経緯も聞いております。また、もちろん国交省の外でも議論百出いたしております。タクシー事業の構造的問題について、ようやく政府が法改正に向けて動いているということで大変評価させていただくとともに、野党四党からも建設的な法律案が提出されているということで、冒頭、何が何でも今回は遅滞なくタクシー業界に対する規制の是正をなし遂げなければならないんだということをまず申し上げたいと思います。
後ほど、質問でもお話ししますが、タクシー業界に関する本当にいろいろな方々すべてが、今さんざんな目に遭っている。これからも現状の惨たんたる状況が続けば国民生活に本当に重大な影響を与えかねない、そういう問題であると思っております。
そういう状態にまでタクシー業界が追い込まれているんだ、だから何としても今規制のあり方、見直しをしようと。一度規制を緩和したけれども、忌憚なく、それを改めるべきところはしっかりと改める、そういう危機的認識を、政府はもちろん、今回は野党提出の衆法がありますから、与野党の法案協議の交渉担当者の方々にも、改めましてお願いをする次第でございます。
それでは、質問に移りたいと思います。
まず、二〇〇〇年の道路運送法の改正時点におけます法改正の趣旨、いわゆる規制緩和の趣旨について、当時の状況がどのようなものであったか、当時の議論の雰囲気も含めてお話をいただきたいと思います。この質問は、政府、それから衆法の提出者にも同様にお答えをいただきたいと思います。
○本田政府参考人 平成十二年の道路運送法改正、施行されましたのは平成十四年でございますが、この規制緩和を実施した当時、交通事業全般に共通して、あるいは我が国の産業政策として、市場競争を通じた経済社会の活性化を図ることが志向されていたと考えます。そのために、社会全般における競争制限的な規制のあり方を見直すことが重要な課題となっておりました。
タクシー事業の規制緩和につきましても、当時、輸送需要が頭打ちとなるような我が国の社会情勢の変化の中で、事業者間の健全な競争を促進し、事業者の創意工夫を生かした多様なサービスの提供や事業の効率化、活性化を図るということを目的として実施したものでございます。
なお、規制緩和の実施に際しては、これに必要なタクシーの特性に応じた環境整備方策の検討を行いまして、タクシーにつきましては、規制緩和と並行して、安全面の規制あるいは事後チェックの強化の必要性が指摘されたことを踏まえ、運行管理等にかかわる規制強化、あるいは監査体制の充実、行政処分の厳格化といった措置もあわせて講じさせていただいたところでございます。
○細川議員 今、政府の方からは、二〇〇二年に施行された道路運送法の改正について説明がありましたけれども、しかし、現実の実態というのは、その改正の目的とは全く反対の方向に行ったというのが現実であろう、こういうふうに思います。そういう意味で、私どもは、規制緩和によってかえってタクシー業界が大変な混乱に陥り、このままではもう先行きが大変心配をされて、そして国民生活にも重大な影響、さらには業界、そして働く人たちが大変なことになるので、これを改正しなきゃいかぬ、こういう認識でございます。
そこで、私どもは、この規制緩和によって全国的にタクシーが供給過剰になった、その結果、では、一体どういうことが生じてきたか。
一つには、御承知のように、タクシーによる交通渋滞それから交通事故などがより多く発生をするようになりまして、都市環境あるいは生活環境が大変悪くなった、こういうことが一点。
それから、タクシーの事業者間で、例えば、先ほど原田委員の方からも質問でありましたけれども、大阪などでは、これは象徴的なんですけれども、過当な競争が起こってきた、これによって事業者の経営が大変悪化してきた、これが二つ目。
もう一つは、これもまた今まで出てまいりましたけれども、タクシードライバーの賃金が非常に悪くなった。去年は、国会は格差国会と言われて議論がされたんですけれども、そのときの、規制緩和によって大変な格差が生じた、その格差の象徴がタクシーの運転手の賃金だ、生活保護の基準よりも低いという、それほど悪い実態にもなっていたというようなことが議論をされた。
こういう三つの悪い結果が出てきているということで、私たちは、規制緩和によるタクシーの政策というのは重大な失敗であったというふうに断言せざるを得ない、こういうことでありまして、今回、タクシーの法体系を見直すことが喫緊の課題だ、こういうふうに考えたわけでございます。
当時の規制緩和の法案が出たときには、いろいろな考え方がありました。政府が説明したようにいくのではないかということで、その法案に賛成した会派もあれば、当時、反対、こういう会派もあったわけでありますけれども、私たちは、規制緩和によって、タクシー業界のこの政策というのは失敗であったというのは、今回、野党四会派で提案をした共通の認識でございます。
世界をいろいろ見渡してみましても、先進国の中で、自由競争の名のもとにタクシー事業の規制緩和は各国で進めてきたんですけれども、成功した例というのは一国もないんです。みんな失敗をしている。こういうような状況で、これは我々立法者としましても、こういう事実は厳然として受けとめなければいけない、こういうことであります。
私たちは、タクシー事業の規制の改革については、タクシーの事業者、そしてそこで働いておる労働者、そしてまた消費者の観点に立ちまして、虚心坦懐、このあり方を再検討しなければいけないということで、今回の法案の提案に至った次第でございます。
以上が認識でございます。
○鷲尾委員 質問以上のお答えをいただきまして、また、大変熱い決意と、それから現状の認識について詳しく御解説をいただきまして、ありがとうございました。
また、政府側につきましても、この規制緩和の結果についての御認識を、先ほどは衆法提出者から詳しい御説明をいただきましたが、改めまして政府側の認識も問いたいと思います。プラス面、マイナス面、両方お答えいただきたいと思います。
○本田政府参考人 タクシーの規制緩和の結果ということでございますが、まず第一に、サービスの多様化、待ち時間の短縮など、利用者にとっての一定の効果もあらわれているものと認識しております。そうした規制緩和のプラス面は、やはり今後とも生かしていく必要があると考えております。
一方で、地域によっては、需要が長期的に低迷する中で車両数が増加するといったことの影響もあり、タクシー運転者の労働条件の悪化を初め、地域における公共交通機関としてのマイナス面が生じていることも事実でございます。こういった問題に対しましては、その是正を図っていくことが必要であると考えております。
○鷲尾委員 今、本田局長がおっしゃっていたことのプラス面について、大臣も先日、非常にサービスが向上したとか、生活者にとって待ち時間が短縮されたといった御答弁をされておりました。
サービスが向上したというのは、私がタクシーの一利用者として持っている実感からすると、むしろ、行き先のわからない運転手さんがふえたとか、最短の経路ではなくてとんでもない経路から行かれてちょっと価格が高くついたとか、先ほど原田委員の御指摘もあったような、サービスは本当に向上したんだろうかと思っているものですから、具体的にどういった点で、特に大臣の御答弁ですと、非常に向上したと強調していらしたものですから、その具体的なものを教えていただきたい。
また、待ち時間が短縮されたということですが、タクシーの台数がふえましたので、それはバブルのときと違って、それこそ、先般、先輩委員の先生方が御議論していたようなバブルの時代の、バブル華やかなりしころ、乗車拒否で全然タクシーがつかまらぬ、そこと比べたら、確かに今はよく乗れますけれども、それは比べるところが間違っているというふうに思いますので、実際に待ち時間が短縮されたと言ったのが、一体どういう根拠に基づくものなのかということも御説明をいただきたいと思います。
また、もう一点、あわせて御答弁いただきたいのが、二〇〇〇年当時、それこそ運輸大臣の答弁でも、需要は喚起されるんだ、規制緩和によって需要が喚起されるというお話だったはずですが、今し方局長の答弁にもあったとおり、需要減、地域によっては需要減という話がございました。これは、先ほど衆法提出者の細川先生もおっしゃったように、やはり実態として見誤ってしまったがゆえに、規制緩和後、さらにその状況が悪化したということになっているのではないかなというふうに思っておりますので、当初想定していた需要の拡大、それが実際に減じてしまったというところについても、具体的にお話をいただきたいと思います。
三点でお願いいたします。
〔中山(泰)委員長代理退席、委員長着席〕
○本田政府参考人 まず、規制緩和によってタクシーのサービスが具体的にどうよくなったのかという点でございますが、幾つかの具体例を申し上げたいと思います。
規制緩和後のタクシー事業においては、いわゆる福祉タクシー、あるいは地域によっては観光タクシーといったようなタクシーが増加し、サービスの多様化が図られております。また、待ち時間の短縮といったこともございます。
この点について一点御紹介を申し上げたいのは、少し古くなりますけれども、平成十七年九月に、私ども、利用者の方に対してのアンケート調査を実施させていただいております。その結果を幾つか御紹介いたしますが、一応、アンケート調査の質問としては、昔、三年程度前という聞き方をさせていただいております。
平成十七年九月の調査でございますが、三年ぐらい前と現在のタクシーの状況を比較してどう思われますかという点について、「各種割引など料金の多様化」という項目については、三八・五%の方が昔と比べてよくなっていると思うと。昔と比べて悪くなっていると思うという方は三%ぐらいの方ですので、当時はそういう利用者の受けとめ方があったというのは事実だと思います。
また、「運転手の接客態度」という項目につきましても、同様に、昔と比べてよくなっていると思うというお答えが三二・八%。これに対して、悪くなっていると思うという方は七・〇%です。
先生おっしゃったとおり、念のため、これを全部正確に申しますと、「運転手の道の詳しさ」という項目になりますと、実は、昔と比べてよくなっていると思うというのは七%ぐらいの方で、悪くなっていると思う方が二六%おられたのは事実です。
また、待ち時間の短縮という点については、アンケート結果では、二四・六%の方が昔と比べてよくなっていると。これに対して、当時、二・九%の方が昔と比べて悪くなっている、こういった結果が平成十七年に出ております。
それからもう一点、この間、タクシーの分野においても技術革新が進んでおりまして、例えば無線配車で、以前のアナログ式から、デジタル式のGPS―AVMシステムと呼んでおりますけれども、こういった最新機器が導入されて、配車業務の効率化が進められておりますが、その具体的効果として、例えば東京都内の事業者においては、このシステムの導入で、平均配車受け付け時間が、かつての七十秒ぐらいから二十七秒に短縮した、こういったデータもございます。
こういった点が、規制緩和と申しますか、タクシーのサービスで向上したと申し上げた点でございます。
それから、輸送需要の減少につきましては、これは正直に申しまして、規制緩和当時、輸送需要はやはり規制緩和によって回復すると申しますか、向上するという意識を持っておりましたので、今日のように輸送需要が低迷することは、正直、予測はしておりませんでした。
○鷲尾委員 率直にお答えをいただいたと思います。想定外というか、当初の、規制緩和によって需要が拡大する部分については低迷してしまった、結果から見れば当然だけれども、こんなことは想定できなかったというお答えだったというふうに思います。
それで、ちょっと今回の閣法について突っ込んだ議論をさせていただきたいと思います。
今回の閣法ですけれども、特定地域の指定を国土交通大臣が行って、特定地域の協議会による地域計画が作成されて、さらに特定事業計画が作成されて、その計画が実施されることで、特定地域として指定された地域におけるタクシー機能の維持、活性化、今の構造的問題が少なくとも改善に向かうんだ、そういう御認識のもと、閣法が提出されているというふうに思います。
この国土交通大臣がまず特定地域を指定するということについて、例えば衆法では、特定地域の指定を自治体の方が要請できるという制度を導入しようということで、規定がなされているところであります。国土交通大臣への要請が行えるということで衆法では規定されていますが、確かに現下の、今行われている緊急調整措置においても、やはり自治体の方から、その措置をとってほしい、いろいろな、詳しく地域の事情があるからこそ提言がなされているという形を私も聞くんですが、では、これはなぜ国土交通大臣が指定するという形の結論をとったのかということについて、お聞かせ願いたいと思います。
私も調べましたところ、平成二十年十二月十八日の交通政策審議会の答申で、地域の指定を客観的な指標に基づき国が行うことが適当であるという旨の答申が出ているということは、もちろん私も存じておりますが、どうしてこういう議論に落ちついたのかというところの経緯を含めて、お聞かせ願いたいと思います。
○本田政府参考人 ただいま先生がおっしゃいましたとおり、交通政策審議会の答申で、特定地域の指定について、「全国統一的な基準で公平に行うべきであり、国が、一定の客観的な指標に基づき行うことが適当である。」という指摘がされております。
そのことについて少し敷衍して申し上げますと、答申の中でもございますが、今回の特定地域、すなわち、供給過剰進行地域として対策を講じる地域におきましては、例えば四点。まず、新規参入の許可あるいは増車の認可等の基準や審査を厳格化するなど、安易な供給の拡大を抑制するということが一つございます。さらには、タクシー運転者の労働条件の悪化の防止のため、他の地域よりもチェックを厳格化する。さらには、違法、不適切な事業運営を排除するため、他の地域より監査を強化するとともに、厳格に行政処分を行う。また、先ほど来もございますとおり、過度な運賃競争への対策を特に強力に推進するといった、特定地域についての対応は、他の地域より厳しい措置を講ずるということにいたしております。
このため、地域間で不公平がないように、あるいは行政が恣意的に地域を指定したりすることがないようにという考えのもとに、今申しましたように、交通政策審議会で、「地域指定は、全国統一的な基準で公平に行うべきであり、」このために、「国が、一定の客観的な指標に基づき行うことが適当である。」という議論がまとまったところでございます。
○鷲尾委員 今の、私がひっかかったのは、地域間の不公平と恣意的なというところでございまして、原田委員からも少し御指摘もありましたとおり、地域の首長さんが、その首長さんはやはり地域の住民から選ばれているわけで、その首長さんがある程度可とすれば、当然、その特定地域に指定してほしいという要請を受ける、それを考慮するというのは、私は、確かに、今局長がおっしゃったように、国が制度の運用をするというメリットもあるんでしょうが、地域間の不公平ということであれば、その地域住民がよしとすればいいのではないか、また、恣意的という部分については、地域の首長さんが要請すれば、それもよしとなるのではないかなという印象を持っておるわけであります。
そこで、大臣にまたお聞きしたいのですが、地域での指定とかあるいは要請というあり方について考慮する余地というのはもうないんでしょうか。
○金子国務大臣 さっき原田委員からも御指摘ありましたように、大阪のことは大阪で決めさせてくれよというようなお話もありましたし、今、委員も、そういう御趣旨で御意見を展開されているんだと思います。
ただ、一方で、先ほど原田委員に御答弁をさせていただきましたように、特定地域になると他の地域よりは非常に厳しく、特に運賃の下限割れといったようなことについてチェックする。あるいは、特定地域になったときに、立ち入りの検査あるいは監査といったようなものについても、他の地域に比べて厳格にやる。そういう中で、我々のこの法案でぜひできるようにしていきたいと思っているのは、悪質業者の排除、こういうことも念頭に置いておりますので、そういうことになりますと、やはりそれぞれの地域の基準というよりも、これは全国の基準の中で判断をさせていただくという必要性があるのだと思います。
そういう意味で、首長さんが要請されるということについて、この要請を非常に尊重するという行き方、あるいは地域計画をつくる中で、地方の首長さん、地方自治体の方に参加していただくということ、これはもう地方自治体に参加していただくということは、また、この地域計画に基づく事業、タクシーの乗り場の整備とかいったような、こういうことを進めていく上でも必要な部分もあると思いますので、そういうところは地方自治体に参加していただいて地域計画をつくっていくということも含めて、必要なことだと思っております。
それから、私、冒頭に、先ほど委員が、規制緩和で、何でよくなったのかということについてなんですが、ちょっと前回申し上げなかったんですが、そもそも今まで、それまでは、全部、国が需給調整をやっていました。今度の野党案、需給調整というのを一つ念頭に置いておられるのかもしれませんけれども、かつて細川元総理が、バスの停車場を十メーター移すのに運輸大臣の許可だったんですね。これくらい、運輸大臣というのはやたら細かいこと、全部さじかげんを大臣が持っていて、がんじがらめにしていた。
それはやはりよくない。むしろ競争して、そして参加も自由にするという意味での、だから、そこで適正な競争といいますか、役所の、役人のさじかげんでなくて、やはり競争を、参入できるという意味で、大いに進歩だということを申し上げました。
確かに、さっき局長が答弁しましたように、土光臨調以来ずっと、規制緩和の議論を平成十二年までやってまいりましたけれども、ここの間も、あるいは十四年に実施されたときにも、既にお客さんの数が、ずっと需要が減ってきたというところ。タイミングとしては、確かに、これを改正する、導入の時期と、お客さんが減るという状況、考え方として導入の時期がよかったのかどうかという議論はありますけれども。
それから、一方で、多くの方々に言っていただいているのは、これを機会にして、消費者という観点から立つと、便利になりましたよねと。それまで、列をつくって、なかなか来てくれなかった、通りでなんかつかまらなかったという意味で、利用者の立場からすれば、一方、便利になりますけれども、ただ、それが結果として、今問題を起こしておる。これはもう細川先生も、御提出者もお話ししました。
認識は全く細川先生と一緒でありまして、結果として、供給が過剰、お客はふえない、運転手の賃金が下がる、結果として事故率も上がるといったような、いろいろな社会現象を起こしている。これは今回見直していきたい、ここは全くの共通の意識でやっています。
○鷲尾委員 大臣からも詳しく、また熱意のほども含めてお答えをいただきました。
私、先ほどお話し申し上げたのは、国土交通大臣が特定地域に指定する、その指定するというところにおいて、衆法で想定されている地方自治体からの要請ということを指定の段階で考慮するということはどうかというお話を申し上げたんですね。
大臣がさっきおっしゃった、それこそ、その後に協議会を設置してという中には当然地方自治体は入っているわけですから、これは閣法で想定されて入っているわけですから、地方公共団体の意思を非常によく尊重している、そういう思想はこの協議会の設置のされ方にも当然かいま見ることができるんです。であれば、なおのこと、特定地域の指定をするに当たって、衆法が想定しているような要請措置というのもあってしかるべきではないか。そこのところの大臣の感想を聞きたいわけなのですが、ちょっと時間が大分押してきていますので、いいですか、そこの感想を、では一言、手短に。
○金子国務大臣 地域指定はできるだけ客観的な基準で決めたいとは思います。でも、今のお考えは、何らかまた御協議いただきたいと思います。
○鷲尾委員 それでは、協議会なんですけれども、地方運輸局長、地方公共団体の長、タクシー事業者、タクシー運転者、地域住民等ですけれども、この協議会が決めるということで、この協議会自身の、タクシー事業者はいっぱいいますし、タクシーの運転者もいっぱいいますし、地方公共団体の長や地方運輸局長はそれは限られていますけれども、住民等も、どういった選別の仕方をするのか。
また、この協議会で地域計画を作成するわけですから、もしかしたら、やはりここに参加している方々というのは利害がそれぞれ対立する人たちの集まりですから、これをまとめようといったって、かなり大変ですよね。この特定地域の地域計画がまとまらない可能性だってあるだろう。
ですから、そのメンバーの招集方法や、その中においてだれがリーダーシップをとるとか、その中における議論の収束、決定の仕方とかも含めて、国交省はどういったことを想定しているんでしょうか。
○本田政府参考人 まず大前提といたしまして、特定地域というのは、供給過剰の進行などによって、その地域のタクシーの運転者の方の労働条件が年々悪化するといったような問題が発生している地域。したがって、まさにその地域のタクシーの適正化、活性化を図る必要がある。この共通認識は、関係の方々に十分持っていただく必要がある。それは、私どもがいろいろ説明してまいるということだと思います。
今御指摘の、まず、そうした中で協議会をどうやって構成していくのか。法律の案文では、関係地方公共団体の長の方であるとか、タクシー事業者あるいはその団体、運転者の団体、地域住民の方、それから私どもの運輸局ということが列挙されているにすぎませんけれども、実務的には、やはりこれは私どもの地方運輸局がその他の構成員の方々に対して、今回の法案の趣旨、あるいはその必要性、そういったことをるる御説明申し上げて協議会への参加を呼びかけさせていただき、円滑に協議会が組織されるようにしていく責務があると考えております。
さらに、それぞれの協議会で具体的にどういうふうに議決していくのか。例えば全会一致なのか、あるいは過半数でいいのか。これはやはり地域の協議会で最終的な結論を得ていただく必要があると思いますが、今回の法案の趣旨から申しましても、地域計画の作成に当たって、なるべく幅広い関係者の方々の意見が反映されるような、あるいはそれぞれの分野の方々の御意見が公平に取り扱われるような、そこにやはり十分な配慮をした上で、議決権をどうするか、過半数で決めるべきか、そういったことを策定していく必要がある、かように考えております。
○鷲尾委員 それでは、地域計画が作成されましたと。地域計画の作成が一苦労だ、まず物すごい一苦労であるということを私は思っているんですけれども、地域計画が作成された後は、今度、事業者による特定事業計画ですよね。特定事業計画は、実はもっとややこしい問題をはらんでいるんじゃないかな、私はそんな気がしてなりません。というのは、特定事業計画が作成されるに当たっては、法案にもありますとおり、事業再構築について定めることができるよという話がございます。
地域のタクシー会社さんからのお話をいろいろ伺いますと、やはり事業会社のみで減車するというのはなかなか難しいだろうと。悪質業者の問題もあるし、正々堂々減車して、本当にみんなそれに従ってくれるのかどうかとか、大変いろいろな問題をはらんでいて、だからこそ、逆に言うと、お上が強制的に減車してくれなきゃ困るんだよといった議論も耳に入ってくると思うんですね。
そこで、では、逆に言うと、特定地域の地域計画は作成されても特定事業計画が作成されない場合も、要するに、タクシー事業者さんの間で、これはなかなか難しい、厳しい、協議妥結するに至らずということも場合によってはあるのではないかなと思いますが、そういったことも含めて、国交省さんの認識をお聞かせいただきたいと思います。
○本田政府参考人 まず、とりわけ減車を含めた措置に関して、国自体がその地域のタクシーの事業者に減車を強制するといった問題につきましては、やはり減車をする意思のない事業者にそれの強制をするというのは、いわば営業の自由を侵害するといった問題もはらんだ問題でありまして、法制度的には困難であると言わざるを得ないと思います。
その意味では、特定事業計画の作成あるいはその中に盛り込む減車というものも、法的には各タクシー事業者の判断にゆだねざるを得ませんけれども、やはり本法案の実効性を高めていくためには、現実に各地で特定事業計画が作成され、かつ、地域によっては減車が促進されるように実態として運用していくことが重要だというふうに思っております。
その点で、事業者あるいは事業者団体の方々の役割、それから私ども行政の役割、これは二つあると思います。
まず、特定地域におけるタクシー事業の適正化、活性化のための実際の取り組みというものは、その地域でタクシー事業を営まれるタクシー事業者御自身が、しかも、みずからの問題であるという自覚を持っていただいた上で、主体的かつ積極的に取り組んでいただくことが最も重要だと思います。その意味では、事業者団体を通じて、その地域のタクシー事業の適正化、活性化、すなわち、その地域のタクシーをよくしていくということでありますが、そうしたことについての事業者の方の意識の向上、これには積極的に取り組む必要があると思います。
また、私ども行政としても、こうした特定事業あるいは事業再構築が適切かつ円滑に実施されるように、それぞれの地域の実情に応じて、これを支援するための対策、取り組みを進めてまいりたいと考えております。
○鷲尾委員 きのうもちょっと質問取りに来た方にもお聞きしたんですけれども、特定事業についてはある程度インセンティブがあるけれども、事業再構築を実際にする、特定事業はまあまあ妥結しても、事業再構築というところが、やはりこれは相当厳しいものになるとは思うんですよね。
この事業再構築を何とかうまくやろうということで、そこのインセンティブというのは、今政府として何か考えているのはないんですか。例えば、衆法では、減車、休車に関する措置として、タクシー事業の供給輸送力の減少の措置として明示するというような、ある程度考慮するよというようなものもありますけれども、政府としてそこをもうちょっと具体的に考えなきゃ、これはいかんともしがたい。ここができなきゃどうしようもない、それこそ供給過剰の問題を含めて。
大臣が先ほどおっしゃった問題点は、ある意味、協議会、地域計画というつくりの中でも、この事業再構築がどうなるかというところにかかっていると思うんですけれども、それに対して具体的に何かいい御提案というのは、今政府は持っているんですか。
○本田政府参考人 減車を実効あらしめるというのは、正直、大変難しい問題であると思いますが、まず、今回の法的な枠組みにつきましては、供給輸送力の減少、すなわち減車について、単に事業者の方に任せるだけではなくて、そういった計画を作成された場合においては、独占禁止法との関係につきましては国土交通大臣が公正取引委員会との間で事前に調整するという、タクシー事業に関しては初めての試みを導入させていただいております。それがまず第一点であります。
さらに、それを後押ししていく仕組みとして、同時に行われます積極的な取り組み、これを法案では特定事業と呼んでおります。これに対して、さまざまな補助制度の活用といった意味での後押し、それから、まさに減車を進められることによるメリット、これは、例えば、現在実行で運用しております特定特別監視地域制度におきましては、減車を進められる方については、定期的に実施しております監査につきましてこれを省略する、その分、そうでない方々のための監査を充実するという形で運用させていただいております。
これは、先生、やはりそれぞれの地域の状況に応じて、考えられるインセンティブはぜひ導入させていただきたいというふうに思っております。
○鷲尾委員 局長、今、インセンティブを導入したいというふうに明言していただいたので、その地域地域で、とにかくこの事業再構築が肝ですから、これが実現できる本当に実効性のあるものを柔軟に準備していただかないとどうしようもない状況になっちゃうと思うので、その点はよくよく御留意をいただきたいというふうに思います。
それで、少し質問の視点を変えたいと思います。きょうは内閣府さんにもお越しいただいておりますけれども、ちょっと自殺者の話をしたいと思います。
一般としてくくられている自殺者の数、十万人当たりで結構ですので、どれぐらいか。あと、タクシーの運転手さんの自殺者はどれぐらいかということについてもお聞きしたいと思います。
○殿川政府参考人 お答えいたします。
まず、自殺者の数でございますけれども、これは警察庁の方の統計でございますが、平成二十年の自殺者の総数は三万二千二百四十九人となっております。今先生の方から十万人当たりということでお話がございましたけれども、十万人当たり、いわゆる自殺率という数字でいいますと、二十五・三という数字になってございます。
それから、お尋ねのタクシーの運転手さんの自殺者数については、統計にそういった調査項目がございませんので、正確な数は不明ということでございます。
○鷲尾委員 私、手元に資料がございまして、皆さんにはお配りしておりませんが、平成二十一年の五月十四日にハイタクフォーラムというのがありまして、そこでタクシー産業の現状と事態改善への課題という資料を、私の所属する勉強会であります交通運輸政策研究会を通じていただいたものがございます。
この中の統計数値といたしましては、タクシー運転者の自殺件数は十万人当たり六十七人であるということで、関係者の方が統計数値をとっておられます。これは一般の方と比べて、先ほど審議官に御答弁いただきました二十五・三人と比べますと、やはり約二・七倍に上っているということで、タクシー業界では、こういうような結果が出たのは、規制緩和によってタクシー運転者の生活崩壊が進んだからだ、ふえたからだというふうに考察されているそうでございます。
このような調査結果があるということを知っていたのか、知った上でどのような認識をお持ちかということについて、国交省さんにお聞かせ願いたいと思います。
○本田政府参考人 タクシー運転者の方の自殺された詳細な数字につきましては、今先生からお示しいただいています。
いずれにしましても、やはり根本はタクシー運転者の方の労働条件の悪化という問題、この点については私どももあらゆる対策を講じてまいりたい、かように考えております。
○鷲尾委員 続きまして、タクシーの交通事故件数ですけれども、これはどうでしょうか。タクシー以外の交通事故件数と比べてお答えいただきたいと思います。これは走行距離でならした数字をお答えいただきたいと思います。
○本田政府参考人 御指摘の点に限ってお答えをさせていただきたいと思います。
全自動車事故に比べまして、走行距離当たりの交通事故件数につきましては、タクシーは全自動車に比べ約一・八倍事故が発生しております。
○鷲尾委員 端的にお答えをいただきましたが、これはタクシーの交通事故件数が突出して高いと思っています、一・八倍ですから。
この原因は何にあるとお考えですか。
○本田政府参考人 事故の原因としてはさまざまなことが考えられますが、三点ぐらい申し上げたいと思います。
タクシーの走行環境、事業特性としましては、やはり市街地を多く走行し、かつ、乗降時等に歩行者あるいは二輪車との接触の機会が多い。さらには、実態として空車走行時の事故が多い傾向にございますが、近年、空車がふえております。それから、三点目として、やはり一般論としては、高齢になってから新たに運転者となられた方の事故が多い傾向がございます。近年、タクシーについては運転者の高齢化が進んでいる。こういったことが要因として考えられるのではないかと考えます。
○鷲尾委員 今局長がおっしゃった話ですけれども、空車が多い、また高齢者のドライバーが多いということでございますが、これはやはり二〇〇〇年の道路運送法改正が私は少なからず影響があるんじゃないかと。先ほど、大臣も、結局、需要が減退して増車がふえる、これで供給過剰でという話をされておりましたが、これは少なくとも、空車、実車率の低下に当然直結するわけであります。そうすると、これもやはり関係してきているんじゃないかなというふうに思います。
そういう意味で、今のこの自殺者がふえている、それから交通事故件数もふえているということが、やはり規制緩和と密接に結びつくということについて、政府の認識をお聞きしたいと思います。
○本田政府参考人 統計数字から申し上げますと、タクシーの需給バランス、それから運転者の方の賃金、それと事故との関係について見ますと、いわゆる日車実車キロ、一日にお客様を運んだキロ数、その減少、あるいは賃金の減少といった傾向と事故率の上昇には、統計上明白な相関関係があると考えております。
近年、長期的に、規制緩和前後を通じましてタクシー需要が減少する中で、タクシー車両数が減らない、あるいは地域によってはふえるという状況のもと、日車実車キロ、あるいは運転者の方の年間賃金が減少しており、それに伴い事故率が上昇していると考えております。
○鷲尾委員 ありがとうございます。
そこで、大臣の見解を伺う前に、衆法提出者に御質問申し上げたいと思います。道路運送法二十九条を改正して、国土交通大臣への報告を義務づけられる事故の対象を拡大されていますけれども、その趣旨についてお聞かせを願いたいと思います。
○穀田議員 二〇〇二年の改正道路運送法の施行後、事故報告の対象となる重大事故の発生件数も増加傾向にあります。
一九八九年には一千二百四件から二〇〇一年六百十八件に、若干減少傾向で推移していたわけであります。ところが、二〇〇二年には七百二十九件と増加傾向に転じ、〇六年には七百四十二件になるなど、七百件台半ばで推移しているところであります。
このような状況を踏まえ、タクシー事業者、運転者に対して安全に関する自覚を促し、国民が安心して利用できる地域の公共交通機関としての機能を果たさせる観点から、報告義務の対象となる事故の範囲を拡大し、他の一般自動車運送事業者と比較して、より重い義務を課すとしたところであります。
ちなみに、二〇〇七年五月にタクシー業務適正化特別措置法が議論されました。その際、参考人質疑で、単に登録運転手の問題だけではない、経済学で言ういわゆる市場の失敗が生じ、問題ある事業者がなかなか退出せず温存される、つまり、事業と深くかかわる旨の発言がありました。私は、働く運転手に着目する登録制度が、本当に安全を確保する目的が機能するためには、タクシー事業者の役割、例えばきちんとした講習など、責任を果たさせることが重大であると指摘しました。
事故報告の対象拡大により、監督官庁がより正確にタクシー事業者の実態についても把握できるようになるほか、タクシー運転手にも、これまで以上に安全運転に対する意識を高めていただけるものと考えております。
タクシー運転者の登録の際の講習において、プロ意識の醸成が図られ、十分な知識の習得が行われること、さらには、タクシー適正化法の運用について監督官庁の強力な指導等を期待しております。
なお、野党四会派の提案では、道路運送法改正案の附則第九条において、「運転者の資格及び登録に関する制度の在り方について検討を加え、その結果に基づき、速やかに、必要な措置を講ずるものとする。」こととしております。
安全、安心なタクシー事業を構築するために協力をしていきたいと考えております。
○鷲尾委員 なかなか衆法の提出者の皆さんはいいことを言っていただけるなというふうに私自身は感じておるのですが、私は法案提出者ではございませんが、今までのタクシーの交通事故、それから自殺者、労働条件のことを含めて、規制緩和とのかかわり、それから今の衆法提出者のお話も聞いて、大臣に、一度、どう思われているかということの御見解を手短にいただきたいと思います。
○金子国務大臣 やはり、こういう労働条件の悪化、運賃の低下、供給過剰というのが今の状況をもたらしている要因であるということは、今回の法案の大きなきっかけであります。
そういう意味で、事故を総体的になくしていくために環境を変えるということが、この法案で、衆法、閣法問わずに、我々がやらなければいけない、それを今度の法案を通じて達成していきたいと思っています。
○鷲尾委員 大臣のお話の後で、もう一つ、タクシー運転者の労働条件という意味では、やはり運賃の問題も非常に密接にかかわっているというふうに思いますが、運賃については、残念ながら、今回の政府提出の法案には何ら運賃に関する規定は盛り込まれていない。
また一方で、衆法では運賃に関する規定があるということでございますので、衆法の法案提出者に伺います。タクシーの運転者の労働条件を確保するために、運賃の規定、運賃・料金の認可基準について改正するということを衆法提出者は御提案されていますけれども、私はもっと本質的に言いますと、衆法提出者のこの改正によってタクシー運転者の賃金は確保されるのかどうかというところをしっかりとお聞かせいただきたいと思うのですが、手短にお願いします。
○三日月議員 せっかく質問をいただきましたので、しっかりとお答えをしたいと思います。
その前に、先ほど原田委員の方から三菱タクシーの判決についてお尋ねがありまして、政府の方から、個々の事業者ごとに運賃額を審査すべきことが判示されたものという理解が答弁でありました。
しかし、この判決文は、その前に実は重要な判決文がございまして、読み上げます。「タクシー事業は運賃原価を構成する要素がほぼ共通と考えられる上、その中でも人件費が原価の相当部分を占めるものであり、また、同じ地域では賃金水準や一般物価水準といった経済情勢はほぼ同じであると考えられるから、当該同一地域内では、同号にいう「能率的な経営の下における適正な原価」は各事業者にとってほぼ同じようなものになると考えられる。」すなわち、同一地域内における、ほぼ同じ、同一の運賃は是認されるという見解が示されております。
今の鷲尾議員の御指摘のように、まず現状から申し上げますが、労働時間は、全産業に比べて年間で百九十二時間多くあります。一方、賃金は三百二十五万円ということで、全産業の労働者に比べますと、平成二十年の数字で二百二十五万円少ない賃金になっています。また、平成十九年度の調査で、二百万円以下にとどめられている都道府県が四県ありますし、全産業の労働者と三百万円以上の格差のついている県が石川県、宮城県という形になっています。
なお、もう一つ看過できないものとして、最低賃金法の違反率、最賃の違反率が、全産業で二%台なんですけれども、タクシー事業に至っては一七%を超えているという全くもって見逃すことのできない事態に今陥っているんだということを、ぜひこの委員みんなで共通認識として持ちたいと思うのです。
したがって、私たちは、法令遵守の観点からも、また安全を確保するという観点からも、タクシー運転者の賃金の改善が必要だと。これには、先ほど来ありますように、歩合制という、いわゆるタクシーにある構造的な課題を解決することも必要ですし、労働基準監督署の、いわゆる監督官庁の強力な指導も必要なんですけれども、私たちは、まず第一歩として道路運送法の改正が必要である、運賃のことについて定めている九条の三を変える必要があるというふうに考えて、現行の上限認可制というものを廃止して、タクシーの運賃と料金が適正な人件費を反映した適正原価に適正利潤を加えたものについて認可するという制度に変えなければならないと。
このことはどういう効果をもたらすかというと、下限を設定するという効果をもたらすことになります。このことについては、先ほど大臣の方からも、運賃に下限を設定すべきではないかというところでありますとか、運転者の労働条件の改善こそが今回の法制定の重要な意義だという見解が示されておりますので、与党、野党問わず、政府問わず、ある意味共通認識に近づいてきたのかなというふうに考えております。
それで、先ほど紹介申し上げた平成十一年の最高裁の判決にもありましたように、「人件費が原価の相当部分を占める」というふうにされております。約七割を人件費が占めるという説もあることから、地域の公共交通機関として、タクシー事業者の安定した経営のもと、安全にタクシーを運行することが可能な人件費の水準が確保されることは極めて重要であるというふうに考えておりますので、この点からも皆様方の御賛同をいただきますように、よろしくお願い申し上げます。
○鷲尾委員 時間がないところをありがとうございました。
要するに、この立法措置で運転者の賃金というのが確保されなきゃいけないんだ、今その第一歩なんだというお考えは非常によく理解できたところでございますが、やはり、タクシー運転者の賃金というのは確かに運賃と密接に結びつくけれども、運賃を上げたから、では、タクシー運転者の賃金は確保されるかどうかわからない。
一方、きょうは厚生労働省さんにも御出馬をいただいておりますので、少しお話を伺いたいと思います。
タクシー会社の賃金体系、本当に、固定給から歩合給、先ほど原田委員も御指摘ございましたとおり、その歩合給の中でも累進歩合制といったような、これは看過すべきではないというようなものも散見されているんです。
これは、具体的に、今どれぐらい事例があって、それを今どういった活動でなくそうとしておられるのかというところを端的にお話しいただきたいと思います。
○渡延政府参考人 お答え申し上げます。
タクシー業界においては、運転者の賃金について、勤務の態様もありまして、その多くが水揚げ高に応じて賃金を支払う歩合給制をとっているものと承知いたしております。
もちろん、賃金につきましては、労働基準法において、労働条件は労使が対等の立場に立つべきものとの基本的な考え方を明らかにし、その上で最低基準を定め、労使が具体的に話し合って決定をいただく形をとっておるものでございます。
ただ、そういった中で、ただいま御指摘のありましたいわゆる累進歩合でございますが、これにつきましては、トップ賞とかあるいは奨励加給とか、そういったものが長距離運転とか超過労働を誘発するおそれがあるということで、これにつきましては昭和四十年代から通達に基づいて指導を開始してきておりまして、今日も引き続き、それに取り組んでおるところでございます。
実態でございますが、累進歩合制度をとっておるハイヤー、タクシー事業場の割合、これは平成十九年において監督指導を実施したもので見ますと、七百十二件のうち八十件の事業場について、いわゆる累進歩合制度をとっているところが認められたものでございます。これらに対して指導を行っておるところでございます。
○鷲尾委員 これはぜひ国交省さんも、きのうお聞きした限りでは、非常に強い関心というか危惧をお持ちだという話でございますので、厚労省さんと連携をして、継続して、こういうものを許さないという態度をしっかりと事業者の方に認識として持っていただくということに努めていただきたいと思います。
最後に申し上げたいのが、この二〇〇〇年当時または二〇〇二年の施行当時、規制緩和の熱がどのような状況で、どのようにしてこの政府・与党を席巻して、また、国会の現場を席巻して、こういった規制緩和の流れがあったのかということは、私、正直申し上げて、当時この場にいなかったので知ることはできません。しかし、今考えますと、規制緩和という正義も、ある意味、今思えば、やはり時代によって移ろい行くものなんだということが、やはり、この議場におられる委員の先生方皆さんも御存じというか、共有できる考え方だというふうに思っております。
そうしますと、やはり我々は立法者として、単に世間の流行に流されただけというふうに言われないように、慎重に、改正して、改正したものについては不断に見直す、効果を検証してすぐにでも見直すということが必要になろうかと思います。
そういう意味で、私は、今このタイミングでこの改正が行われているということについては、非常に、もっと早くできなかったものか、そういう強い気持ちを持っておりますので、そのタイミングも含めまして、大臣の見解を最後にお伺いして、質問を終わらせていただきたいと思います。
○金子国務大臣 今出していただいております政府案は、もとより、これは最善のものとして提出をさせていただいておりますが、与野党の皆様から、さらにさまざまな御意見をいただいております。細川代表として野党から出していただいております法案の取り扱いも含めて、今後、この委員会での審議を十分に私も見きわめていきたいと思っております。
○鷲尾委員 タイミングについてのコメントがなかったのが少々気になりますが、質問を終わらせていただきたいと思います。
ありがとうございました。
2009年06月24日10:00~10:20 衆議院国土交通委員会/衆議院分館 第18委員室(動画有)
2009年05月27日13:30~14:30 衆議院国土交通委員会/衆議院分館 第18委員室(動画有)
2009年04月21日16:00~16:30 決算行政監視委員会第二分科会 /衆議院第二委員室
2009年04月01日15:00~15:30 衆議院国土交通委員会/衆議院分館 第18委員室(動画有)
2009年03月11日9:00~9:30 国土交通委員会/第18委員室(動画有)